ハビタブルゾーン内に6個の惑星を持つ太陽系を発見?

NASA finds Earth-size planet candidates in habitable zone, six planet system
ScienceDaily (2011/02/02) —

NASAケプラー計画は初めて、地球サイズの惑星の候補と、惑星表面に液体の水が存在することの可能なハビタブルゾーン内の星の候補を発見した。我々の太陽よりは小さく温度の低い恒星の周りに惑星とみられる星が5つ見つかり、ハビタブルゾーン内に軌道を持つという。


候補の星が本当に惑星であるかを確認するには追って観測が必要だ。ケプラー計画では今回確認された6個の惑星はKepler-11という太陽に似た恒星を回ることも明らかにした。これは、我々の太陽系外で今までに見つかった単独の恒星を回る惑星では最大のグループだ。


「人間の一生のうちに我々は、地球外惑星などはSFの根幹であった時代から、いま、ケプラー計画がSFを現実のものにしてしまった時代に来てしまいましたよ。」とNASAアドミニストレーターのCharles Boldenはいう。「この発見によって宇宙における我々人類の立場の理解を常に増し続けているNASAの科学ミッションの重要性が強調されます」


この発見は、2月1日に公表のケプラー計画の新しいデータで特定された数百ある新しい惑星候補の一部であり、ケプラーによって特定された惑星候補の数は増加し、現在までに1,235ある。このうちで68個は地球と同等、288個は地球より大きく、662個は海王星とサイズ、165個は木星クラス、19個は木星よりも大きい。


ハビタブルゾーン内に見つかった新惑星候補は54個あり、その中で5つが地球サイズに近いものだった。残りの49個は地球より少し大きい程度(地球の2倍ほど)から木星よりも大きいものまであった。


この発見は2009年の5月12日から9月17日までに行われた、全天のおよそ400分の1をカバーするケプラーの視界に存在する156,000個の星の観測結果に基づいている。


「空のこれほど小さな部分にこんなにもたくさんの惑星候補を見つけたということから、我々の銀河内には太陽に似た恒星を回る惑星は無数にあることがわかります。」とカリフォルニア州モフェットフィールドにあるNASAエイムズ研究センターのこのミッションの主任研究員William Boruckiは言う。「ゼロから始まり、地球サイズの惑星候補は68個、ハビタブルゾーンの候補では54個。そのうちのいくつかは液体の水が存在し、月を持っているかもしれませんね。」


惑星候補を擁する恒星のうちで170個は複数の惑星候補を持つという証拠が得られている。Kepler-11は、地球から2000光年離れており、また今までに見つかった中では最も密に詰まった惑星系だ。今回確認された6つはすべて金星よりも小さい軌道を持ち、そのうち5つは水星よりも小さい軌道を持つ。子午線通過する惑星を複数持つことが確認された恒星はほかに1つだけあり、Kepler-9といい、こちらは3つの惑星を持っている。このKepler-11の発見は2月3日付けのNature誌に掲載される。


「Kepler-11はその構造と運動がこれの成り立ちに関する手がかりをくれるという特筆すべき星系です。」とエイムズ研究センターの惑星学研究者でケプラー計画の科学チームであるJack Lissauerは言う。「これら6つは岩とガスの混合状態で、おそらく水も含まれているでしょう。岩石質であるということでその大半の惑星の質量の説明がつきますが、ガスがこれらの体積の大半を占めています。内惑星の大きさと質量を量ることで、我々はそれらが確認済みの惑星の中では太陽系と比べてはるかに小さい質量をもつということを決定しました。」


Kepler-11を周回する天体はいずれも地球よりも大きく、最大のものでは海王星土星に匹敵するほどだ。最も内側の惑星のKepler-11bと恒星Kepler-11との距離は地球-太陽間の10分の1である。外側に目をやるとKepler-11c、Kepler-11d、Kepler-11e、Kepler-11f、Kepler-11gがあり、これらとKepler-11との距離はいずれも地球と太陽の距離の半分以下である。


惑星Kepler-11d、Kepler-11e、Kepler-11fは軽いガスを大量に持つことから、これらの惑星が形成されたのはこの星系の成立から200万年以内であることがわかる。


ケプラーがそれぞれの発見で作った歴史的な道しるべによって後続の外惑星ミッションの進むべき道が決まるでしょう。」とワシントンにあるNASA本部のケプラーのプログラム技術者のDoublas Hudginsは言う。


ケプラー宇宙望遠鏡は、恒星の前を惑星が通過することによるその明るさの小さな減少を計測することで惑星の証拠を探している。これを子午線通過という。


太陽に似た恒星のハビタブルゾーンを惑星が子午線通過するのは年に約1度だけおこり、確認のためには3回の子午線通過が必要であるので、その地球大惑星の位置を決定し確認するのには3年かかると考えられている。


ケプラー科学チームは地上の望遠鏡とスピッツァー宇宙望遠鏡を用いて、惑星候補やその他に見つけた興味深い対象についての調査を再調査した。


白鳥座と天秤座の方向にある、ケプラーが観測する星域は地上の望遠鏡からは春から初秋にかけてのみ見ることができる。こういった他の観測データも、どの候補が惑星であるかの確認を手伝っているのだ。


ケプラー計画について詳しい情報は http://www.nasa.gov/kepler