なぜ人は泣くの?

Why do people cry? ≫ Scienceline
By Emily V. Driscoll | Posted October 23, 2006

たとえば今映画のテルマ&ルイーズのラストシーンを見ていて3枚目のハンカチを手に取り、涙でよごれ、にじみ、塩水だらけの視界で横を見るとそこには飼い猫がいてこの珍奇な光景を不思議そうに見つめている。人間が、号泣する状態に陥ってしまうことがあるのはなぜなのだろう?その半面、動物界のほかの方々は鼻をすすることすらしないように思うのに。


人間には涙腺があって、それが潤滑油を注ぎ、埃などの粒子から目を守っています。涙腺は上まぶたの裏にあり、しょっぱい液体、つまり涙を生産していて、涙は瞬きするごとに目全体に広がるわけです。動物も涙を出すことはできますが、人間と全く同じ理由でしているわけではないのです。


人間の目から生成される涙は3種類あります。基礎涙、目を守り、潤すもの。反射涙、刺激のある時に目を洗い流すもの。感情涙、悲しみや悩みや肉体的苦痛に反応して流れるもの。


感情涙は、人の気性に影響する物質であるマンガンや、母乳の産生量を調整するプロラクチンを多く含むことが研究によりわかってきました。泣いてマンガンとプロラクチンを排出することは、体のストレスレベルを調節したり溜まった化学物質を取り除いたりすることによって緊張をほぐすためだといわれています。そうして泣いていた人は気分がよくなるのです。


しかしこんな生理学的なマイナーな効果はさておき、人が感情涙を流す理由として最も考えられるのは、それがコミュニケーションの一手段だからでしょう。赤ちゃんは話すようになる以前は、泣きますし、幼児にとって、欲求不満とか痛みとか恐怖とか要求といったことを伝えるためにはなくことしかできません。大人は他人と絆を結ぶために泣くことを利用するかもしれません。悲しみを表現することで仲間に慰めや支援を促すことができます。異なる言語での会話による意思疎通には障壁がつきものですが、感情は世界共通です。泣くことには、人を一堂に会させるため、冠婚葬祭などのように、文化的に容認されている理由もあります。


動物は感情を持ち、それを表現することができるのか、という重要な議論がありますが、感情的な理由で泣くことをする動物はいます。ゾウなどは家族が死んだときには悲しみに暮れるように見え、そして亡骸を保護したり、あるいはそれを見るために長い距離を旅することがあります。ロンドン動物園のゾウの専門家は昔、チャールズダーウィンに、動物たちは死者の弔いを確かにするのだと教えたことがあります。チンパンジーも泣くように見えますが、中には、こういった動物たちの流す涙は目を洗浄するために他ならないといまだ主張する学者もいます。


動物が感情的な理由で涙を流すのか否かということは科学的にはこれから実証されることです。とはいうものの人間は、多くの理由で涙を流すことができますし、実際します。目を清潔にし、ストレスを軽減し、痛みや思いを伝え、社会に和合する、この全部の理由で我々はティッシュの箱を空にするわけです。だからあなたが、泣ける映画を見て感極まっても、結局、それは別にめめしい人だということではないんです。つまり、あなたはまったく普通のホモサピエンスの行動を取っていると言えますね。

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